参考価格 76,000円
花の色を抑え銀彩を花びら、葉などに少し多めに加えました。
着物リフォーム問診表からのお問い合わせ
◇A.ご希望をお聞かせください。
若い頃に作った着物を今着られるものにしたい
◇B.今回のお着物のご購入入手時期、または作成時期
およそ30年前に着ていました。
◇D.ご質問・ご要望がございましたらお聞かせください。
2年前になりますでしょうか、お世話になりました栃木県のHです。
先日は暑中お見舞いありがとうございました。クリーム色のつけ下げです。
着物の地色が好きな色なので、地色を変えないで柄を今から着れる用にしていただくことはできますか。
できるのであれば大まかな金額も教えていただけると有り難いです。
①ご依頼への返信内容 (その後メールのやりとり ①→②→③)
H 様
お久しぶりにメールいただきありがとうございます。
色無地を若草色に裾ぼかしのお仕事をさせていただきました。
温かいご感想メールをいただきました。有難うございます。
今回、付け下げの直しはできると思います。
裾模様の写真を添付したメールをお願いします。
写真を拝見し大まかなお見積もりをします。
模様が分かりませんと何とも言えません。
撮影は昼間にお願いします。
夜蛍光灯のもとでの撮影では正確な色が分かりませんのでよろしくお願いします。
②
早速のお返事ありがとうございました。
古い着物ですので、あまり掛かるようでしたら見合わせるつもりでおりますが。
好きな地色で思い出の着ものですので、もし生き返るならとお尋ねしました。
何箇所かシミもあります。裏地も写しておきました。
見積もりの方、よろしくおねがいします。
③
H 様
写真拝見しました。
バラの花の朱が少し派手になるので抑えればいいのでしょうか?
目立たない金彩で抑えることが出来ます。
胴裏のシミはカビによるものでしょう。
この胴裏は取り換え新しくしなければなりません。
とき、はぬい→洗い張り→シミ、汚れ落とし→金彩→仕立て直し。
この工程をたどり七万円を超えることはないでしょう。
胴裏のカビは他にも移ってゆきます。
見えにくいですが表にもすでに移っていると思います。
出来れば早い目になんとかしたほうがいいと思います。
よろしければ小さく畳んでお送りください。
納品時の手紙内容
H様
この度も公庄工房をご利用くださりありがとうございます。
お預かりしています付下げ直しできあがりました。
花の色を抑え銀彩を花びら、葉などに少し多めに加えました。
また、あちこち落とせない汚れがありましたので銀彩で全体のバランスを摂りながら隠しましたが少し隠しきれなかったところもあります。
ご指定の縫い紋を入れました。
これで結婚式にも着て頂けます。
トキ、ハヌイー洗い張りーしみ、汚れ落としー金彩―花の色なおしー縫い紋入れー仕立直し。
この工程で七万六千円になりました。
最初のお見積もりより六千円オーバーしてしまいました。
申し訳ありません。
花、葉、バックなどに加えた銀彩にかなり手が入りましたのが原因です。
胴裏にも良い生地を使い仕立てました。
出来上がりを見て頂きますとご納得していただけると思います。
この附け下げも私のHP〈京友禅公庄工房〉に掲載のお許しをお願いします。
少しでも多くの実績を見て頂き安心して公庄工房へ来ていただきたいと思っています。着物職人の仕事はますます少なくなっています。
仕事を確保し職人の生活を支えたいと思っています。
京友禅を次代に伝えて行き伝統産業を守らなくてはなりません。
よろしくお願いします。
ありがとうございました。
今後とも公庄工房をよろしくお願いします。
お客様からの返信内容
またまた大変お世話になりました。
何と言ってお礼を言えば良いのか、
職人さんの魔法の手には素人ながら感心してしまいます。
着物は一生ものとはよく言ったものですね。
開けたとたん以前と(30年前のもの)同じもののような錯覚に陥り
「いや違う新品だ」と思えるような、何なんでしょうね?
公庄さんにお任せすれば間違いないと改めて思いました。
本当にありがとうございました。
● 工程
1、トキ、ハヌイ
2、洗い張り
3、シミ、汚れ落とし
4、金彩
5、花の色なおし
6、縫い紋入れ
7、仕立直し