黒留袖染め直し
今回数十年前の母の留袖は、染め直しと金彩を施して本来の京友禅に仕立てて
頂きました。この秋娘の婚礼に袖を通し、いずれ大事に公庄工房様の誇り高い
工程を伝えながら娘に譲りたいと思います。
この着物に息吹を入れ、私どもの門出に祝福していただきました。
お客様からの最初のメール
Subject: 着物リフォーム問診表からのお問い合わせ
■A-1.ご希望をお聞かせください。(いくつでも) : その他(※A-2の項目にお答えください)
■A-2.(A-1でその他を選んだ方)ご希望をなるべく詳細にお聞かせ下さい。 : ・母の黒留袖をリフォームして9月の娘の 婚礼に着用したい。
・身長 母 149㎝ →私 160㎝
裄丈 母 61㎝ →私 65㎝
身丈(背から)母 148.5㎝→私 150㎝
・洗張りから仕立て上げまで全て
・裄の直しなどにおける仕上がりの不具合
の解決
■B.今回のお着物のご購入入手時期、または作成時期 : 約30年前
■C-1.着られる方の年齢(選択してください) : 五十代
■C-2.(C-1でその他を選んだ方)内容をなるべく詳細にお聞かせ下さい。 :
■D.ご質問・ご要望がございましたらお聞かせください。 : A-2での記載の重複になりますが、黒留袖のリフォーム(特に裄を出す工程)はその箇所が響くと聞いております。どうしても無理であるならば再考したいと思います。
公庄工房からの返信
お問い合わせ有り難うございます。
黒留袖の仕立て直しでしょうか?染め直して仕立て直しでしょうか?
仕立て直しの場合、
解き、羽縫い―洗い張り―シミ、汚れ落とし―湯のし―金彩―仕立て直し
この工程をたどりまして8万円~10万円くらいになると思います。
染め直しの場合、
解き、羽縫い―洗い張り―シミ、汚れ落とし―柄伏せ―染め直し―蒸し、水元―湯のし―金彩―仕立て直し
この工程をたどりまして18万円くらいになると思います。
どちらでも5月末には仕上げられます。
仕立て寸法が違いますので胴裏は新しくします。
金彩は模様や現在の状態にもよりますが、より立派な留袖に仕上げるためには必要だと思います。
染め直せば購入されたころ以上になるのではないでしょうか?
よろしければ小さくたたんでお送りください。
拝見しお見積りさせていただきます。
よろしくお願いします。
お客様からのメール
お世話になります。
> > 問い合わせさせていただいたおりますKです。
> > アドバイスのように染め直し工程を加えて頂いた方が良いように
> > 思います。
> > ご指示に従いそちらでご検討の上、再度見積りを含めお知らせ頂けますか。
> > 送付先は下記の住所でよろしいですか。
公庄工房からの返信
返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
お預かりしています黒留袖写真添付します。
責任をもってお預かりします。
この留袖はポイントの孔雀模様のバックに金彩を加工しますと一段と豪華な留袖に仕上げられると思います。
上前と下前後ろのポイントの孔雀2ヶ所です。
解き、羽縫い―洗い張り―シミ、汚れ落とし―柄伏せ―染め直し―蒸し、水元―湯 の し―金彩―仕立て直し
この工程をたどりまして18万円くらいになると思います。
解いて仕立て直しますのでご指定の寸法、
・身長 母 149㎝ →私 160㎝
裄丈 母 61㎝ →私 65㎝
身丈(背から)母 148.5㎝→私 150㎝
・洗張りから仕立て上げまで全て
・裄の直しなどにおける仕上がりの不具合 の解決
までできます。
仕立て寸法が違いますので胴裏は新しくします。
5月末までには仕立て上がりお手元にお届けできます。
進めさせていただいてもよろしいでしょうか?
お返事お待ちします。
納品時の公庄工房からのお手紙
K T 様
この度は公庄工房をご利用くださり有り難うございます。
お預かりしています黒留袖染め直し出来上がりました。
解き、羽縫い―洗い張り―シミ、汚れ落とし―柄伏せ―染め直し―蒸し、水元―湯のし―金彩―仕立て直し
この工程をたどりまして18万円になりました。
金彩を加えたことでより立派な留袖に仕上がったと思います。
この留袖はもともとこのように仕上げるべき模様として構成されています。
多分着物がよく買っていただいたころに作られ、忙しかったのではないでしょうか?今では、そんなころがあったこと自体信じられません。
仕立て寸法はご指定の寸法でお願いしました。
この留袖を私のHP京友禅 公庄工房に掲載のお許しをお願いします。
多くの方に見ていただき、安心して公庄工房へ来て頂きたく願っています。
有り難うございました。
今後とも公庄工房をよろしくお願いします。
納品後のお客様からのメール
5月11日 夕方に無事注文品届きました。
メールでの出来上がりを見てはいましたが、
実際の出来上がりは、それ以上の仕上がりで
家族ともども素晴らしい金彩の施しに感動してしまいました。
たぶん、公庄工房様にご縁が無ければあのまま袖を通すことなく
母の思い出の品。であったことでしょう。
以前メールでお尋ねした時点では、いったいこの黒留袖は何という染め物で
どのような価値があるのか?
という疑問があり、仕立て直しに消極的な思いがありました。
公庄様から本品が京友禅の「切地取り方・孔雀模様」の留袖であり
金彩を加えることを提案され、その詳しい説明に納得し
ぜひとも再生していただきたくお願いした次第です。
今回数十年前の母の留袖は、染め直しと金彩を施して本来の京友禅に仕立てて
頂きました。この秋娘の婚礼に袖を通し、いずれ大事に公庄工房様の誇り高い
工程を伝えながら娘に譲りたいと思います。
この着物に息吹を入れ、私どもの門出に祝福していただきました
公庄様。
心から感謝申し上げ益々のご活躍をお祈り申し上げます。