◇お客様からのご依頼

[A-1.ご希望をお聞かせください。(いくつでも)]
汗じみやしみがついてしまった,地色が変色してしまった

[A-2.（A-1でその他を選んだ方）ご希望をなるべく詳細にお聞かせ下さい。]
黒留袖ですが、地色が茶色く抜けてしまってシミのようになっています

[B．今回のお着物のご購入入手時期、または作成時期]
昭和60年

[C-1.着られる方の年齢(選択してください)]
五十代

[D.ご質問・ご要望がございましたらお聞かせください。]
前回着たのは、17年前なのですが今秋に着る予定があり、箪笥より出したところ
茶色シミが多数ついていました。
着物クリーニング専門店に見てもらったところ、カビによるシミだろうということで、カビ取り丸洗いクリーニングと染み抜きでの見積もりがでました。
その金額が妥当かどうかはわからないのですが、他でもあたってみようと思い、御社にいきついたところです。

シミは、後ろ身頃の腰より下に広範囲と、右前身頃の腰下、左右前袖にも目立つシミがあります。
上記のお店では、500円玉30個分での見積もりでした。

実物をお見せしていないので、難しいかもしれませんが、御社でしたらどのような方法で綺麗にしていただけますでしょうか？
おおよその見積もりができましたら、お願いいたします。

返信内容

H様
お問い合わせありがとうございます。
そのシミはカビによるシミです。
そのシミが茶色になっているのでしたらかなり進行しています。
そのままにしておかれますとやがて小さな穴が空いてしまいます。
着物クリーニングでは直すことはできないのではないでしょうか？
お見積もり１万５千円ではどこまでやってもらえるのか疑問を持ちます。

拝見していないので正確ではありませんが胴裏にもかなりのシミがあるのではないでしょうか。
解き、羽縫い―洗い張りー柄伏せ―染め直しー蒸し、水元ー湯のしー金彩―仕立て直し

この工程を辿りますと9万円前後。
これは最悪の状態で染め直さなければ直せない場合です。
胴裏も新しくして仕立てますのでより立派な留袖になってよみがえります。

シミ、カビ抜き―金彩ー地色補正ープレス仕上げ
この工程を辿りますと3～5万円。
留袖は金彩を加えることでかなり立派な留袖に仕上げられます。
金彩を加えなければ3万円くらいで出来るのではないでしょうか。
着物の状態を拝見していませんのであくまでも予想しかできません。
宜しくお願いします。

納品時のメール内容

H様
この度は公庄工房をご利用くださり有難うございます。
お預かりしています黒留袖、長襦袢シミ、カビ落とし出来上がりました。
黒留袖、
シミ、カビ落とし―金彩―地色補正―洗い、プレス仕上げ
この工程を辿りまして５万５千円。
長襦袢、
シミ、カビ落とし―洗い、プレス仕上げ
この工程を辿りまして２万５千円。
合計金額消費税を含みまして８万４千円になりました。
留袖のカビによるシミは何回か繰り返してここまでになりました。
地色全体の色のアセた部分も直しましたがここまでです。
牡丹、乱菊に金彩を加えましたことで柔らかく上品な模様になりました。
長襦袢につきましてはシミの跡が少し残っていますがこれ以上手を入れますと破れてしまう可能性があります。
ここまででご納得頂きますようお願いします。
この留袖を私のHP京友禅　公庄工房に掲載のお許しをお願いします。
カビによるシミは多くの方が直せなくてお困りになっておられると思います。
私のHPを見て頂きますと職人さんによっては直せるシミもあることを知っていただけます。
よろしくお願いします。
有難うございました。
今後とも公庄工房をよろしくお願いします。

お客様からの返信内容

本日、お願いしておりました黒留袖、長襦袢を受け取りました。
大変重度のカビ染み状態であった物を直していただき、ありがとうございました。

もっと早くにカビに気づいていたらと後悔ばかりです。
こちらの予算を先にお知らせしておりましたので、元通りとまではいきませんが、十分な状態にまでしていただきました。
秋に着るまでの間も慎重に管理していこうと思っております。

金彩を加えていただいた部分は、予想以上に上品なものとなり、満足しております。
達人の職人さん方々にも、感謝いたします。

HP掲載の件、了解いたしました。
多くの方の参考になればと思います。

また、何かありましたらお願いしたいと思います。
このたびは、ほんとうにありがとうございました。
●　工程
黒留袖
1、シミ、カビ落とし
2、金彩
3、地色補正
4、洗い、プレス仕上げ

長襦袢
1、シミ、カビ落とし
2、洗い、プレス仕上げ