御客様からの最初のメール

今回は、和楽器をテーマにした訪問着をお願いしたいと思っています。

以前制作された訪問着、「古楽器四季草花」、「古楽器に絵巻草紙」をベースに、檜扇や巻物などの器物文様は描かず、各種の和楽器と神楽鈴、鳥兜のみを描いたデザインが希望です。

バックには松、梅、桜、橘が咲く枝を描き、霞・流水文様も入れて下さい。

 今回、訪問着の図案を考えながら和楽器のことを色々勉強させていただき、自分では今まで知らなかった和楽器がたくさんあるんだな、と感じました。

資料を数点添付します。

振鼓、鶏婁鼓、鞨鼓など、名前も初めて聞く楽器でした。

これらの楽器も描いていただければ幸いです。

 地色は、「空色」、「白群」の明度を上げ、彩度を下げた明るい色が希望です。

袷仕立て・紋なしで、予算は00万でお願いします。

 10月1日に、観光で京都へ伺います。

平日（木曜日）ですので、もし公庄さんのご都合がよければ、ぜひ「伊と幸」さんへ伺い、白生地を選ばせて頂きたいと思っています。

それまでに図案・地色など決めておければいいなと思っております。

 お手数おかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

公庄工房からの返信

納品時の公庄工房からのお手紙

A　様

この度も完全お誂え・オーダー着物をご利用くださり有難うございます。

ご注文いただきました訪問着「古楽器四季草花」仕立て上がりました。

図案作成―生地購入―湯のし―仮絵羽―下絵―糸目、糊伏せ―地染め―蒸し、水元―友禅―蒸し、水元、水洗―湯のし―金彩―金駒刺繍―ガード加工―仕立て

地色指定の見本生地も一緒にお返しします。

袖丈は１尺５寸と指定しましたが１尺４寸５分になっています。

指定寸法が取れないはずはないのですが取れなかったと言われました。

申し訳ありませんがご理解いただきますようお願いします。

全体の仕上がりはほぼ御希望通りになっていると思います。

京友禅着物としての品位、格調をそなえた訪問着に仕上がっています。

この訪問着も私のHP京友禅　公庄工房に掲載のお許しをお願いします。

多くの方に京友禅着物の素晴らしさを見ていただきたいと思います。

着物作りの技を次代に伝え続けてゆきたいと願っています。

有難うございました。

今後とも公庄工房をよろしくお願いします。

平成28年2月10日

公庄　工房　　　公庄　武雄

納品後のお客さまからのメール

公庄さま

 こんばんは。いつもお世話になっております。

 訪問着は先週末拝見しました。

ゆっくりパソコンを開いてメールを打つ時間がなかなか持てませんでした。

指定どおりのきれいな空色に染まっていますね。

色使いは全体的には落ち着いていますが、ところどころ濃い曙色やさわやかな黄緑が使われており、とても綺麗なお着物になっています。

霞は金で、流水は銀彩を施してくださってあるのでとても豪華な印象です。

金駒刺繍もたくさんしてくださってあり、とても贅沢なお着物ですね。

 希望通り仕上げてくださり、ありがとうございます。

色使いもとても私の好みで、またお気に入りの着物が増えました。

 袖丈ですが、このままにするか、１尺４寸に直していただくか、もう少し考えたいと思います。

もし直すときは、お願いします。