色無地をオーダー着物に作り直し
40年以上前の、しかも水色の正反対の色でところどころ濃い色の暈しも入っていましたので、さぞかしご苦労なさったと思いますが、職人さんの技でバランス良く、色々な工夫を加えて下さったことがわかります。
古い時代の生地はどっしりとして、染め替えにも耐えうるので、箪笥に眠らせておくのは勿体ないですね。この着物は少なくとも私と娘の二代で長くこの着物を楽しんでいきたいと思います。
お客様からの最初のメール
■問い合わせ内容 : はじめまして。東京のNと申します。今年00歳になります。40年前の娘時代に母が作ってくれたサーモンピンクの色無地(裾と肩に暈しがあるので、付け下げ?)を染め替えて再利用出来ないかと思案しています。
3/30に京都に行くので現物を持って御社に訪問したいと思いますがご都合は如何でしょうか?
宜しくお願いいたします。
公庄工房からの返信
中川 香様
31日10時頃工房でお待ちしています。
京都駅で嵯峨野線(山陰線)に乗り換え、亀岡行き、園部行きの電車にお乗りください。普通電車なら二駅目、快速なら次の駅が二条駅です。約5分。
二条駅よりお電話お願いします。
すぐに自転車でお迎えに参ります。
歩いて5分くらいで工房につきます。
二条城の桜はちょうど咲き始めたころになると思います。
気を付けてお越しください。
よろしくお願いします。
着物受け取った後の公庄工房からのメール
N K 様
お物3着確かに届いております。
写真添付します。
責任をもってお預かりします。
写真6918、薄めの若草色は、お好きな地色に染められます。
6926は、薄い色で染め直し鮫小紋を残すのがいいのではないでしょうか?
6927は、裾の雲ぼかしをどうするかによります。
解き、羽縫い―洗い張り―シミ、汚れ落とし―染め直し―湯のし―縫い紋入れ―仕立て直し
この工程をたどりますが染め直す地色によっては染め直しの前に「地色抜き」が入ります。
6918, 6926 は7万円くらいで仕立て上がります。
6927は、裾の雲ぼかしを入れますと9万円くらいになると思います。
染め直す地色は、「和色大辞典」を検索していただきますといろいろな地色見本が出ています。
その見本を参考にしてお考え下さい。
30日10時頃工房にてお待ちしています。
JR二条駅よりお電話お願いします。
路地の奥の分かりにくい所ですのでお迎えに参ります。
気を付けてお越しください。
京都はこのところ寒い日が続いています。
桜は咲き始めているかどうか・・・・。
今月末は暖かくなってほしいです。
ご来訪後のお客様からのメール
公庄様
お世話になります。
東京のNです。
先日は娘と二人でお伺いして傘をいただき大変助かりました。
ありがとうございます。
さて、雲ぼかしの色無地ですが、水色の色無地に染め替えをお願いしましたが、
他の2枚のリフォームと一緒になって色無地ばかりも寂しいと思うようになりまして、
出来たら付け下げに変更できないかと考えました。
生地が古いのでできるかどうかはわからないのですが、一応希望の写真をお送りします。
色も写真のような、もう少し明るめの水色がいいなと思っています。
柄は、葵と菊は写真のまま、桐に変えて松が描けたらいいなと思います。(袖と肩先はそのまま、裾回しを変更)
いろいろ心変わりして申し訳ないのですが、一度ご検討いただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
公庄工房からの返信
N K 様
先日は娘様とご来訪有り難うございました。
あいにくの雨ではありましたが、お二人で雨の京都もよかったのではないでしょうか?
写させていただいた写真添付します。
染め直しの色無地はオーダー付け下げと言う事でよろしいでしょうか?
模様につきましては、参考写真の桐を松に変更します。
解き、羽縫い―地色抜き―湯のしー墨打ちー下絵―糸目、糊伏せ―地染―蒸し水元―友禅―蒸し水元―湯のし―金彩―縫い紋入れ―仕立て直し
この工程をたどりまして00万円くらいになると思います。
解きましたところ胴裏は新しくしなければなりません。
友禅の配色は参考写真に基づきますが、ご希望がありましたらお電話お願いします。
お話を伺い友禅をさせていただきます。
よろしくお願いします。
納品時の公庄工房からのお手紙
N K 様
この度も公庄工房をご利用くださり有り難うございます。
ご注文いただきました色無地をオーダー訪問着に仕立て直し出来上がりました。
解き、羽縫い―地色抜き―湯のし―下絵―糸目、糊伏せ―地染―蒸し、水元―友禅―蒸し、水元、水洗―湯のし―金彩―仕立て直し
この工程をたどりまして00万円になりました。
昔の着物は色を抜きましてもきれいに抜けない場合がよくあります。
この訪問着もところどころ黄変した部分が出てきました。
染め直した地色が水色ですので黄変部分はそのまま出てしまいました。
銀砂子を霞状に入れることで隠してあります。
全体にはご希望通り上品な訪問着に仕上がったと思います。
色無地を訪問着に作り替えさせて頂いたのは初めての経験でしたが何とかうまく仕上げることが出来ました。
この訪問着を私のHP京友禅公庄工房に掲載のお許しをお願いします。
このようなことが出来ることを多くの方に見ていただき、タンスの中で眠っていた着物を活躍させていただけるのではないでしょうか?
先ほどはお電話ありがとうございます。
雨も上がりました様ですので発送いたします。
有り難うございました。
今後とも公庄工房をよろしくお願いします。
平成29年9月7日
公庄 工房 公庄 武雄
納品後のお客様からのメール
公庄さま
いつもお世話になっています。
娘の名前にちなんだ柄メインで季節を問わないデザインの付下げを受け取りました。
上品で美しい着物に蘇りましたね!大満足です。本当にありがとうございます。
40年以上前の、しかも水色の正反対の色でところどころ濃い色の暈しも入っていましたので、さぞかしご苦労なさったと思いますが、職人さんの技でバランス良く、色々な工夫を加えて下さったことがわかります。
古い時代の生地はどっしりとして、染め替えにも耐えうるので、箪笥に眠らせておくのは勿体ないですね。この着物は少なくとも私と娘の二代で長くこの着物を楽しんでいきたいと思います。
これからもよろしくお願い致します。